ついに六大学野球秋季リーグ最終週を迎えた。法政の優勝が既に決まってしまったが、力を抜くことは出来ない。両校のプライドを懸けた戦い――華の早慶戦。
早慶第1戦、早稲田は1回裏に2点先制するも、2回表に同点、4回表に押し出しなどで2点追加され逆転される展開。しかし直後の4回裏に7番小野田俊介(社学2)が左線上に安打を放つとそこから代打丸子達也(スポ1)、9番東條航(文構3)等がつなぎ一挙4得点。3番髙橋直樹(スポ4)、4番杉山翔大(スポ4)が内野ゴロであわや併殺という場面で必死の走りを見せ併殺を防ぐなど、4年生の意地も垣間見えた。
その後は6回裏に相手の失策により1点を追加し、早稲田が7-4と逃げ切った。
1回裏、先制の1点は数字以上に思いのこもったものであっただろう。
1番中村奨吾(スポ2)が中前打で出塁すると、2番大野大樹(社学3)が犠打を失敗するも、3番髙橋が左前打、更に暴投により1死二、三塁の好機を迎える。ここで打席に立つのは4番杉山。数日前に中日に4位でドラフト指名を受けた主砲は球場の多くの期待を背負いながら、最後の早慶戦で中前打を放った。早稲田1点先制。一塁に辿りついた杉山は大きくガッツポーズを見せ、一塁コーチャーの主将佐々木孝樹(スポ4)とグータッチをかわした。怪我で秋季リーグ戦列を離れていた佐々木の分も戦ってきた副将杉山の姿が見えた。
この日球場が一番沸いたのは7回裏、2死から代打で佐々木が打席に立った時である。
今季初めて佐々木が打席に立つ姿を見て観客席からは歓声、皆が長らく待ち望んでいた光景であった。まだ万全の態勢ではなく、結果は内野ゴロ。しかし「ごめん」と手を顔の前に出した佐々木に観客席からは大きな拍手が送られた。
先勝することが出来た早稲田、勝てば明日は4年生が出場する最後のリーグ戦となる。
春季リーグ優勝、全日本大学野球選手権優勝と華々しい結果を残したチームをけん引した4年生の勇姿を目に焼き付けたい。
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